今回は『まだ東京で消耗してるの? 』の書評です。
この本はブログ界の巨匠といっても過言ではないイケダハヤト(@IHayato)さんの最新作(平成28年3月3日現在)です。
ぼくは、イケダさんの『武器としての書く技術』を読んでからというものすっかりファンになってしまいました。
発売前から読みたいと思っていたんですが、ようやく読み終えたので書評としてまとめてみます。
そもそもこの本はタイトル通り「東京で消耗している人たち」へ向けて書かれたものです。
なので、生まれも育ちも現住所も広島県の山間部のぼくにとって「役に立つのだろうか? 」と不安ではありましたが、読み進めるとそんな不安は見当違いでした。
コミュニケーションのためのコミュニケーション
「こんな企画やりませんか? 」「いいですね! 」と担当者同士で盛り上がっても、「まずは上司の承諾をもらわないと……」という具合に、「コミュニケーションのためのコミュニケーション」が求めらるのです。そしていつか熱も冷めていき、上司のハンコを押すたびに企画のエッジも落ちていく。あぁ、東京のこのうんざりメカニズム。
「なるほど、東京ではそんな面倒くさことがあるんだ。」と思いかけましたが、これって普通に会社員をしていれば田舎でも当てはまりますね。
イケダさんは「決断、実行が遅いのは致命的です」と言いたいんじゃないかな。
同じ失敗をするにしても早く決断して早く実行したうえでの失敗なら取り返す時間も残っています。だけど、ギリギリになってやらかした失敗は取り返す時間が残っていません。失敗した時点でゲームオーバーですね。
「田舎には仕事がない」というウソ
重要なのは、こうした細かい仕事は「来てみないとわからない」んです。仕事の単位が小さすぎるので、わざわざ求人広告を打つこともなければ、ウェブサイトにのせることもありません。地元に入り込んで、人とつながっていくなかで「こんな仕事あるんだけど、やらない? 」と話がくるたぐいの仕事なんです。
この引用部の前のページには田舎で発見した小さな仕事が箇条書きにされています。こういう小さな仕事って田舎に住んでいる人でも当事者以外は見落としています。
結局、地元の人も会社でサラリーマンとして働くことばかりを考えて自ら進んで消耗しよとしてるんです。
閉鎖的な田舎
今はもう、「閉鎖的な田舎」は少なくなってきています。そういうスタンスの集落は、どう考えても衰退していきますから、むしろ危機感のある田舎ほどオープンで、移住者に対しても「ウェルカム」な姿勢があります。
これは移住を受け入れる立場の地方在住者は、しっかりと受け止めなければいけない問題です。
事実として移住者をよそ者扱いする閉鎖的な人間もいます。在住者の意識が変わらなければ、移住を考えている優秀な人たちは移住にオープンな土地へと流れていってしまいます。
まとめとして
この本には東京の問題点ばでなく、地方の問題点も大きく取り上げられていると感じました。
そして、クリエイティブな視点を持って決断、実行を早くすれば田舎にいたって十分戦えると気づかせてもらいました。ようは、どこに住んでいるか? ではなく、何に気づくか? が大切です。
東京で消耗し移住を考えている人にはもちろん、地方で移住者を受け入れる立場の人にもぜひ読んでもらいたい本ですね。
話をもっと大きくすれば、田舎町の市長や町長、役所職員も読んでおくべきです。
それでは最後に読者のみなさんにひと言
《気づけ! 決めろ! やれ! 》
今回は、以上です。
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